入浴が睡眠に効果があることは、よく知られています。現在も各地に温泉宿や銭湯があることでわかるように、日本人は昔からお風呂が大好きで、疲労回復だけでなく病気治療にも有効とされ、娯楽や社交の場でもありました。

「疲れたらお風呂に入って眠る」これが長年の習慣になっており、日本人のライフスタイルにお風呂は欠かせません。ここでは、入浴の効果と入浴タイムを有効に活用して、快眠を得るポイントをご紹介していきます。

入浴にはたくさんの効果があります。体を温めることで血行や新陳代謝が良くなり、筋肉のコリやむくみがとれ、疲労回復に役立ちます。また、リラックスすることで副交感神経が働き、ストレス解消にも効果があります。

そして、睡眠に大きく関わっているのが体温の上昇です。睡眠と深部体温の関係は以前にもお話しましたが、深部体温が低下していくのと並行して眠りが訪れます。お風呂に入って体を温め、いったん体温を上昇させると、眠る時に体温がスムーズに下がりやすいのです。

それでは、良質な睡眠をとるための入浴方法とはどんなものでしょうか?よく言われていますが、「シャワーだけ」はやめて湯船につかりましょう。体を清潔にするにはシャワーで十分ですが、体の表面だけに当たるシャワーは体温を上昇させません。

熱いお湯は交感神経を刺激して興奮状態になりやすいので、30~40度のぬるめのお湯に、ゆっくりつかりましょう。10分から20分程度つかっていると、体が芯から温まり体温が上昇します。この時入浴剤やアロマを使うこともおすすめです。好きな香りは感情をコントロールして、リラックス効果をアップしてくれます。

また、照明を工夫してみるのも良い方法です。温泉旅館などで、お風呂場の明かりが少し暗いと感じたことはありませんか?旅館は休息に来るお客さんのために、安らぎやすい環境を心がけています。夜になったら、部屋やお風呂は少し薄暗い方が落ち着けるからです。

もしお風呂の照明が、明るさの段階を調節できないタイプなら、スタンドに布をかぶせてお風呂の外に置き、お風呂場の照明を消すなど、間接照明にすると良いでしょう。せっかくのくつろぎタイムですから、いろいろなものを総動員して、リラックスできる入浴環境を整えましょう。

入浴時間が短すぎては効果がありませんが、気持ちがいいからと1時間も入っていると、お湯の温度が下がって、せっかく上昇させた体温が低下してしまいます。入浴時間は30分くらいを目安にしましょう。

入浴のタイミングにも注意が必要です。体温が下がってくるのは、お風呂からあがって約30分後ぐらいです。また、就寝直前に入ってしまうと寝つきが悪くなってしまいますので、就寝の2~3時間前の入浴がベストだといわれています。

「毎日帰宅は10時以降、時間がなくてそんなことしていられない!」そんな時の味方がサウナです。40度くらいの低温サウナやミストサウナは、10分程度で入浴と同じ効果が得られます。入浴タイムに余裕がない忙しい人にはおすすめです。

大切なのはお風呂に入って、心と体が眠る準備をすることです。入浴は寝つきが良くなり、睡眠の質も高めますので、入浴タイムを上手に使いましょう。