近年、寝具メーカーのCMでアスリートたちをよく見かけます。試合で腰痛になったり、ケガをする場合も多く、体調管理に人一倍気を配るアスリートにとって、睡眠で素早く疲労回復することが、いかに大切なのかがわかります。

寝具選びは、快眠のための重要なポイントです。合わない寝具で眠っていると、肩コリや腰痛の原因になることもあります。腰痛は二足歩行をしている人類にとって避けて通れないものですが、80%の人は生涯に一度は腰痛に悩まされるといわれています。

疲労を回復するために睡眠をとっているのに、不調になってしまっては意味がありませんし、睡眠の質も低下してしまう可能性もあります。体に負担をかけない姿勢を保つことができる、正しい寝具の選び方を知ることはとても大切です。

前回ご紹介しましたが、私たち人間の背骨には2カ所のS字カーブがあります。立ったり、歩いたりする時は、このS字が機能を大いに発揮しますが、平らな場所に横になる時は邪魔になります。首や腰に負担がかかり、不自然な姿勢になることが多いのです。

敷布団やベッドはこのS字を上手く包み込んで、一カ所に体重がかかったり、圧迫したりすることを防ぐ役割を果たしています。寝具の選び方で一番大切なのは、掛け布団やベッドの硬さが自分に合うかどうかです。

様々な機能を持った商品が次々と開発・販売されていますが、自分にとって自然で無理のない姿勢を保てることが選び方の基準になります。柔らかすぎると腰が沈み込んで、腰痛の原因になりますので、比較的硬めが良いとされています。硬さの他に気をつけたいのが吸湿性と通気性です。

掛け布団と敷布団でつくられた空間のことを寝床内気候といいますが、この環境が温度33度、湿度50%に保たれていると快眠できるとされています。少し暑いように感じますが、睡眠中は汗をたくさんかくことで体温が下げる必要がありますので、この程度の温度が必要です。

大量にかいた汗は、およそ70%が敷布団に、30%が掛け布団に吸収されます。通気性が悪い敷布団は、長時間使用すると蒸れて寝苦しくなり、何度も寝返りをうってしまいます。肩コリや肌荒れの原因になる場合もありますので、通気性の良い天然素材のものを選ぶことが大切です。

掛け布団には、吸湿性や通気性に加えて保温性が重要です。睡眠中は体から熱が奪われやすいため、寝返りをうっても暖かく包んでくれる、軽くてフィット感があるものがおすすめです。羽毛布団、真綿布団は特に、保温性や通気性に優れています。

心地よく眠るためには、寝具のケアも大切です。吸湿性を高めたり、寝具を清潔に保つために、布団カバーや枕カバーを必ずつけるように心がけましょう。デザインだけにとらわれず、素材の良いものを選んでこまめにとり替えることが大切です。

布団を干すのは、住宅環境で難しい人もいると思います。マットレスを部屋の中に立て、窓を開けて風に当てるだけでも十分効果はあります。寝心地が全然違うので、是非試してみてください。