睡眠は肥満に大きな影響を及ぼすといわれています。平均7時間以上睡眠をとっている人を基準とすると、6時間だと23%、5時間で50%、4時間以下では73%も肥満になりやすいという驚きの調査結果もあります。

睡眠不足が肥満を招く原因は何でしょうか?それには、自律神経とホルモンの働きが、大きく関係しています。原因の一つとして、起きていると食べ過ぎてしまうことが挙げられます。

眠っている間は何も食べられませんから、プチ断食をしているようなものです。これに対して、ずっと起きていると、カロリーを消費しているように感じますが、必要以上に食べてしまうことが多いのです。

睡眠不足になると、お菓子などの甘いものや、ポテトチップスなどの塩辛いもの、パスタやパンなど、炭水化物を食べる傾向があります。残業帰りに、味の濃いラーメンを食べたり、コンビニでこってりしたカルボナーラを買ってしまった経験はありませんか?消費したカロリーに比べて摂取している方が断然多すぎますよね。

睡眠不足で成長ホルモンの分泌が減り、代謝も低下しているのに、カロリーを摂りすぎれば太るのは当たり前です。しかし一番の原因は、食欲をコントロールする2つのホルモンのバランスが乱れているからだと考えられます。

最近わかってきたことですが、脳の視床下部にある満腹中枢に「満腹」のサインを出して、食欲を抑制しているのは「レプチン」というホルモンだといわれています。レプチンは体内の脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脂肪量の抑制や代謝の増進に働きかけています。

レプチンは、夜遅い食事が習慣化すると働きが低下する性質を持っています。レプチンが低下すると、血糖値や中性脂肪を増やしてしまい、肥満や生活習慣病の原因になるのです。

これに対して「グレリン」は胃から分泌されるホルモンで、成長ホルモンの分泌を促す働きもありますが、主に食欲増進と脂肪の蓄積を脳に命令しています。レプチンとグレリンは相関関係にあり、常にバランスをとろうとしています。

この2つのホルモンのバランスが乱れるのは、自律神経が原因です。交感神経が働いている間は、レプチンの分泌が減り、グレリンの分泌が増えます。睡眠時に働く副交感神経に切り替わらず、交感神経ばかりが働いていると空腹感が強まり、ついカロリーの高いものを食べてしまうのです。

自律神経は、私たちの意思とは無関係に体をコントロールしています。心臓を動かす、血液を流す、食べ物の消化・吸収、老廃物の排泄、睡眠中の呼吸などは全て自律神経の働きです。自律神経は外的刺激や状況に合わせて、体を適応させているのです。

そのため、自律神経の乱れは様々な体調不良を招きます。ストレスや夜更かしで、副交感神経を働かせていないことが、不調の主な原因だといわれています。脳と体を休ませる良質な睡眠をとって、副交感神経をフルに働かせれば、自律神経のバランスが整ってきます。

このように快眠することは、自律神経を整え、正常なホルモンの分泌を促進して、食欲のコントロールや代謝を助けてくれるのです。ダイエットにも睡眠が一番だといえるでしょう。