友人たちとの旅行で同じ部屋で宿泊したり、入院して同室に他の患者さんがいた時など、睡眠中のクセで恥ずかしい思いをしたことはありませんか?

「自分のいびきで目が覚めた」なんて話を聞いたことがありますが、ほとんどの場合、いびきや歯ぎしり、寝言などは睡眠中に無意識にやってしまうものです。「楽しい旅行を諦めるのもイヤだし…。このクセ何とか直せないかな」と思っていませんか?

もしかしたら、これらのクセは恥ずかしいだけでなく、体の不調のサインかもしれません。この回では、睡眠中のいびき、歯ぎしり、寝言などの原因と改善方法をご紹介します。

いびきは、空気が気道を通る時の振動音です。横になることで気道が狭くなり、ノドや鼻の粘膜が震えて音が出るのです。いびきの最大の原因は口呼吸だといわれています。口を開いて眠ると、気道がさらに狭くなってしまい、いびきをかきやすくなるのです。

口呼吸はいびきの原因になるだけでなく、他の病気を引き起こす可能性もあります。口を開いていると空気中の細菌が体内に侵入しやすいため、感染症、口内炎、扁桃炎などにかかりやすくなってしまうのです。

そして最も危険なのは、睡眠時無呼吸症候群を起こしやすいということです。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まって、その度に起きてしまうため、良質な睡眠がとれません。肥満、高血圧、心臓病といった生活習慣病を併発する場合も多く、突然死の可能性もあります。

いびきの改善方法としては、肥満にならないこと、横向きに寝ることが有効な方法です。太っている人が仰向けに寝ると、首周りの脂肪でノドが圧迫されて気道がふさがりやすいため、いびきをかきやすくなります。横向きに寝るとノドが狭くなるのを防ぐので、いびきをかくことが少なくなります。

歯ぎしりは不快で独特な音がするので、いびきよりも迷惑な時がありますよね。放っておくと歯が欠けたり、折れたりすることもあり、もっと進行すると顎の骨まで摩耗する場合もあります。進行が激しい場合は、歯医者さんに相談しましょう。歯の保護のため、睡眠中に装着するマウスピースを作成してくれます。

歯ぎしりは、ほとんどレム睡眠中に起こっています。その原因は、遺伝、飲酒、喫煙などが考えられていますが、最も多いのはストレスよるものです。改善するには、ストレスを発散することが第一です。症状が良くならないようなら、カウンセリングをしてくれる歯医者さんもありますので、早めに相談しましょう。

寝言はノンレム睡眠、レム睡眠のどちらでも起こりますが、その性質に違いがあります。ノンレム睡眠中の寝言は、はっきりしています。脳は休んでいますが、筋肉は緊張が保たれているので、発音する時に使う筋肉が正確に動きます。

レム睡眠中の寝言は、何を言っているのか聞き取れない場合が多いです。脳は活動していますが、筋肉は弛緩しており、はっきりとした言葉になりません。レム睡眠中は夢を見るので、夢に関連した寝言を言います。

レム睡眠中にうなされたり、大声で寝言を言う場合は、大きな精神的ストレスから悪夢を見ている場合が多く、睡眠中に暴れ出す「レム睡眠行動障害」や「睡眠時無呼吸症候群」などの病気かもしれませんので注意が必要です。

寝言は眠りが浅く、言語中枢が起きていると出やすいとされています。ストレスをため込まず、活動的に過ごして快眠することが重要です。

いずれも軽度で、頻度が少ないなら心配ありません。旅行などは、非日常で緊張したり、疲れたためとも考えられます。それよりストレスを貯めないことの方が大切ですので、あまり気にせず楽しみましょう。