自分に合った枕を使っていますか?「枕が合わない」「寝苦しい」「肩がこる」など、枕に関する悩みは尽きません。最近では「ピローフィッター」という枕選びのプロがいるお店も多く、オーダーメイド枕の需要も増えているのだとか。他の寝具に比べて、枕にこだわる人は多くいます。なぜこんなにこだわるのでしょうか?

私たち人間の背骨は、後頭部から背中にかけてと背中から腰にかけて、2カ所にS字状のカーブがあります。これは重くなった頭を支えて、二足歩行をするために進化した最適な形状です。背骨に負担をかけず、頭や体の重みを分散してバランスをとり、自然な姿勢がつくれます。

人は寝ている時もこの楽な姿勢を求めます。頭を安定させるために、敷布団と頚椎の隙間を埋める枕が必要なのです。枕は正しい姿勢で立っている時と同じように、頭部を支え、呼吸がしやすい状態にしてくれます。

枕が合っていないと、首や肩に負担がかかり、頭を上手く支えられません。楽な姿勢がとれないと寝心地が悪くなり、眠りの質を下げてしまいます。このように枕は、私たちの眠りに直接的な影響を与えます。これは脳が発達した人間だけの悩みだといえるでしょう。

枕選びの大切なポイントは高さです。枕の合う、合わないは、ほとんど高さで決まってきます。高さを決める前に知っておきたいのが枕の当て方です。頭だけをのせずに、肩先から頭全体を支えるように深めにのせるのが正しい当て方です。そうすることで、首や肩に負担がかからず、疲れにくくなります。

枕の高さは、体型や頚椎のアーチの深さによって、それぞれ違います。アゴが上がってしまうような高い枕や、逆に首が後ろに反ってしまうような低い枕は、むくみや首のシワの原因になります。さらに、長い間このような不自然な姿勢で眠っていると、骨が歪んでしまうこともあります。

仰向きに寝た時は、眉間とアゴの角度が5度になるのが正しい高さの基本です。この高さだと、気道が開き、楽に呼吸ができます。見落としがちなのが、横向きに寝た時のこと。

私たちは眠っている間に20~30回もの寝返りをうちます。仰向きで眠って、起きた時も仰向きだったから、ずっと動かなかったなんてことはありません。ですから、横向きに寝た時の枕の高さも考える必要があります。

横向きに寝る時のポイントは、肩がつぶれないか、頬が枕に強く当たる感じがしないか、の2つです。枕が低すぎると肩がつぶれてしまい、高すぎると頬が圧迫される感じがします。しかしそう考えると、仰向きと横向きでは、理想の高さが全然違ってきます。どうすればよいのでしょう?

仰向き・横向きのバランスは、実際に寝てみて、確かめてみることが大切です。近頃は、プロのアドバイザーがいたり、専用のメジャーで頚椎のカーブを測ってくれたり、ベッドルームが用意されているお店もありますので、何度も試してアドバイザーにチェックしてもらいましょう。

高さの他に注意したいポイントは素材です。低反発枕やポリエステル、ビーズなどの枕が一時期流行しましたが、このような化学繊維を使用した枕は、吸湿性や通気性がありません。首や頭は特に汗をかくので、蒸れや皮膚疾患の原因になってしまいます。

天然素材を使った、リラックスできる素材を選びましょう。また、枕は毎日使うものですので、洗える素材を選んで衛生面にも気を配りたいですね。