食事と睡眠は、私たちが生きていくためになくてはならないものですが、この2つは生活のリズムを整えるための大切な役割を持っており、両者は密接に関係しています。

体内時計が眠りのサイクルをつくっていることは以前の回で紹介しましたが、活動中は深部体温が上がって、睡眠中には下がるという体温のリズムも体内時計がつくっています。

食事の摂り方は体温の上げ下げに重要な役割を果たしています。今回は良質な睡眠のための食事方法と、睡眠に効果的な成分についてご紹介します。

朝食はスッキリ目覚めさせるために、そして夕食はぐっすり眠るためにとても大切な役割をしています。以前の回でもご紹介しましたが、朝は太陽光を浴びるとともに朝食をしっかり食べて、脳と体をしっかり目覚めさせることが大切です。

理想の朝食のポイントは、水分をしっかり補給する、エネルギーが長持ちする炭水化物を食べる、たんぱく質・ビタミン・ミネラルを含んだメニューの3つです。

睡眠中にかいた汗で体は水分不足になっています。水や野菜ジュース、スープなどの水分をしっかり補給しましょう。炭水化物は素早く脳のエネルギーになりますし、お昼までの活動をサポートしてくれます。また活動的な1日を送るためには、バランスの良い食事を摂ることも重要です。

これらの朝食をよく噛んで食べることで、脳が目覚めて集中力が高まります。どうしても朝食がとれない場合は、水分補給をしっかりするだけでも効果があります。

夕食は食べ方と時間に注意が必要です。夕食を遅い時間に食べて眠ってしまうと、消化のために胃腸が働いているため、睡眠に入った直後のノンレム睡眠に入りにくくなってしまいます。

よく言われることですが、夕食は就寝の2~3時間前に摂り、飲酒やカフェインを控えて、消化の良いものを腹八分目に食べることが大切なポイントです。

また、夕食には睡眠に効果的な成分を含む食材をとりいれると、快眠のサポートをしてくれます。以前ご紹介した睡眠ホルモンのメラトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸からつくられています。

これは人間の体で作れないため、食事から摂る必要があります。トリプトファンは肉や魚、大豆製品や乳製品など、たんぱく質に多く含まれていますので、夕食には必ず摂るようにしましょう。

トリプトファンを分解するのは、ビタミンB6です。このビタミンはニンニクやトウガラシ、カツオ、まぐろなどに多く含まれていますが、腸内細菌が少ないと、いくら食べてもビタミンB6は作られません。そのため、トリプトファンを脳に送って有効的に作用させるためには、腸内環境を整えることが重要だといわれています。

他に、最近ではグリシンというアミノ酸も、睡眠に効果的な働きをすることが分かってきています。グリシンはエビやホタテに多く含まれ、深部体温を素早く下げる効果がありますので、夕食のメニューに加えてみるといいでしょう。

いかがでしたか?睡眠と食事には深い関わりがあり、食事の摂り方に注意することで快眠は得られます。また、できる範囲で食事の時間を決めておくと、体内時計や睡眠リズムが整いやすくなります。